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フランスが愛した日本人画家 映画『FOUJITA』

©2015「FOUJITA」製作委員会/ユーロワイド・フィルム・プロダクション

©2015「FOUJITA」製作委員会/ユーロワイド・フィルム・プロダクション

戦前から戦後にかけて活躍した日本人画家、藤田嗣治を題材にした日仏合作映画。今年の東京国際映画祭のコンペティション部門に正式出品されました。

藤田嗣治は、1886年東京に生まれ、27歳の時に画家を志して、単身フランスへ渡ります。1920年代には、パリで画家として成功し、一躍有名になりました。しかし、第二次大戦の勃発により、日本へ帰国。戦争中は、従軍画家として、戦争画を書いていました。しかし、このことで、終戦後、日本美術会から、戦争責任を追及されてしまいます。1950年代になって、藤田は、再びフランスへ渡り、フランス国籍を取得、日本国籍を抹消します。カトリックの洗礼を受け、レオナール・フジタと改名。1968年にスイスで没し、二度と日本に帰ることはありませんでした。

今回の映画は、フジタが画家として成功を収めた、1920年代のパリから、終戦間近の日本までを描いています。

監督の小栗康平さんは、「資料はたくさんあったので、一通り見たが、全部忘れてゼロから作った」語り、あえて、伝記的な映画にせず、1920年代のパリと日本の文化の違い、風景を浮かび上がらせるという映画にしたそうです。

©TIFF 2015

東京国際映画祭の記者会見にて ©TIFF 2015

©TIFF 2015

フジタは生涯で5回結婚。5人目の妻、君代を演じるのは中谷美紀さん。右はクローディー・オサールさん。©TIFF 2015

実際、この映画は、フジタの物語というより、フジタを通して、1920年代のパリ、そして戦時中の日本の風景を見るという芸術性の高い映画になっています。

日仏合作映画ということで、製作には、映画『アメリ』で有名なプロデューサー、クローディー・オサールさんが関わっています。フジタは、戦後フランス国籍を取得し、日本国籍を抹消したことから、日本では「複雑な画家」と見られることもありますが、オサールさんによると「フジタは、フランスでは非常に愛されていた。画家で生計を立てるのは大変なことだが、彼は経済的にも成功した人」とのこと。実際に、フジタはフランス政府から、何度か勲章も授与されています。

見どころは、やはりフジタ役のオダギリジョーさんでしょうか。フランス語を猛特訓して撮影にのぞんだとのことですが、フランス人の役者さんの中に、フジタとして、違和感なく溶け込んでしまうのは、さすがです。小栗監督によると、オダギリジョーさんは、分析的に役作りをせずに、ただその役になる、ということができる、数少ない役者さんだそうです。

また、現在、東京国立近代美術館にて、12月13日まで、MOMATが所蔵する藤田嗣治の全作品の展示会が開催中です。映画に出てくる作品の本物が見れますので、映画を見てから本物を見るのもいいですし、本物を見てから、背景のストーリーを見るのも面白いです。

美術が好きな人にはもちろん、オダギリさんの演技に興味がある人にもおすすめな映画です。
 

『FOUJITA』

11/14(土)、角川シネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー


 

(Oasis Japan)
 


 

 

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